激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました

１、サロン経営の悩み

　対面式の接客用テーブルとチェアはホワイトで統一。

　キャスター付きのワゴンには、カラージェルやアート用の各種パーツ、施術に使う機器をセットしてある。

　ここにあるすべては、大事な仕事道具であり、私にとって大切な財産。

　テーブル脇に設置したカラーチャートはグラデーションに並べ、マット、クリア、ラメと種類別にしてある。

　アート見本は季節ごとに変えていて、今の季節はパステルカラーが可愛いイースターデザインだ。

　ネイリストとして独立して、早いもので半年。私、松原(まつばら)京香(きょうか)は、東京の片隅でネイルサロンを経営している。

　高校卒業後、美容系専門学校に進学。二年間ネイルを専攻した。

　在学中にネイリスト検定二級までと、ジェルネイル検定上級を取得。

　その後、長野県にある実家に住みながら、隣町のショッピングモール内のネイルサロンで五年ほど働いた。

　いつか、自分のネイルサロンをオープンすることを目標に働き、ネイリスト六年目にしてその夢を叶えたのだ。