婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
第四章 魔女の掟

 イリアスの先導で、呪われた人たちが集められた救護室へやってきた。

 通常は夜会などで使われる大ホールを特別救護室として使用していた。それほどの人数がいっせいに呪われたのだ。

 いくら呪われたアイテムでも、こんな風に被害が出ることはない。基本的には呪われた道具を身につけた本人にしか効果はないものだ。ざっと見ても百人以上の文官たちが集められていた。
 等間隔に並べられた簡易ベッドに横たわり、身体を抱えるようにして痛みに耐えている。

 そもそも私以外の魔女はいつも必ず解呪ができるわけではない。呪いを吐き出さないと受けられないから、この規模の解呪をできる魔女なんてそうそういないのだ。
 そのため苦しみを和らげるために、聖女たちも招集されて苦しんでいる人に治癒魔法を施していた。

「これは……ひどいわね。この中で重症者は?」
「重症者と申しますか、全員が同じ症状なのです。黒い(あざ)が現れて、強い痛みで動けなくなっています」

 文官たちは身体中に黒い蛇が巻きついたような痣が現れて、激痛に襲われていた。

【呪眼(カース・アイ)】


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