ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




冬休みが開けて、3学期が始まった。


冬休み中はとくに会ったりはできなかったけれど、毎日のように交わしたメールや電話。

溜めに溜めた気持ちを持って顔を合わせる今日、実は数日前から緊張してたりして。



「───かわいいよ」



そう言ってガタッと席を立ち上がったのは、窓際に座る大好きな男の子。

もちろんのこと、みんなが注目。
それまで響いていた笑い声も静まり返る。



「あの雪だるま、かわいいから」



こんな解釈をしたら脳内お花畑だと言われてしまうかもしれないけれど。

それはイコールで私のことをかわいいと、言ってくれてるってこと…?


ねえ浅倉くん。

だって彼氏である浅倉くんが言ってくれてるんだから。



「わかった?北條」


「お、おう、」



そのタイミング、ホームルーム開始前の予鈴が鳴った。


教室に入ってきた担任教師はさっそく私を見つけ、「おー、青石。今のお前はどんな雑用でも引き受けてくれそうだわ」と一言。

きっと今にも頬がこぼれ落ちそうだったのだろう。



「で、李衣?浅倉とのクリスマスはどうだった?」


「泊まり!?ねえやっぱり泊まりなの!?」


「李衣っ、そんな遠慮しないで教えてってば!」



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