ひとりぼっちのさくらんぼ
第二話
朝日が昇った。
あたしは眩しさで目を覚まして。
部屋の中でカーテンの隙間から、窓の外の空を見上げた。
「キレイな青空」
携帯電話があったなら、絶対に写真に撮っている。
真っ青で。
雲ひとつない。
クリアな空だと思った。
「おはよう、J Kちゃん」
お姉さんがパジャマ姿のまま、欠伸をしつつリビングに入って来た。
冷蔵庫を開けて、牛乳をカップに注いでいる。
電子レンジにそれを入れたお姉さんに、
「なんちゃってコーヒー牛乳?」
と尋ねると、
「さすがはあなた。わかってるよね」
と、お姉さんは笑った。
「スマートフォン、リビングに忘れて寝に行ったでしょう?」
あたしが指差すと、お姉さんは「そうだった」と言って、
「着信音とか鳴ってた?うるさかったなら、ごめんね」
と、両手を合わせてあたしを見た。
「大丈夫、マナーモードだったから。でも、振動してたよ」
と、伝える。