俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
第一話 誰かが誰かを好きだと言う事。

入籍から2ヶ月


ジリジリと、 
夏の日差しがアスファルトを照りつける。

遠くを見ると、
地面から、もやもやっとしたゆらめきが立ち上るほどの暑さに、果穂は思わず立ち眩みを覚える。

近頃の都会の暑さはまるで砂漠のよう。

川沿いの小さな公園の一角に店舗を構える『陽だまりcafe』は、
今日もひっそりと営業をする移動式cafeだ。

軽トラックを改装して作られたキッチンカーは、この夏に向け少し前にリニューアルしたばかり。

冷暖房完備の、至れり尽くせりのcafeへと生まれ変わった。

去年までは小さな扇風機一つしかなく、
調理室部分の内部は、窓を全開にしても40度以上になっていた事だろう。

リニューアル後は、
20度から25度の快適な温度が保たれる。

尚且つ、暑い日差しを遮る為の軒も付き、
商品の受け渡しを待つお客様にも、
涼しいひとときが提供される。

この公園の目の前には駅があり、
駅を使うサラリーマンや学生はもちろん、
公園に遊びに来た子供達や家族連れにとっても、砂漠の中のオアシスになっている。

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