再会した幼馴染みは犬ではなく狼でした

日常

 
 翌日。社食で同期のカスミに会う。
 カレーライスを食べながら、最近のはなしをする。

 カスミは営業1課所属。あの、うるさい人々と毎日仕事しているなんて、尊敬する。
 「雫さあ。知ってる?新しいアメリカ帰りの人。」

 アメリカ帰りって。今時そんな言い方するの?
 「うん。昨日挨拶された。」
 「すごいかっこいいよね。私、結構イケメン見慣れてきたから驚かないんだけど、なかなか規格外だよね、あの人。」
 どんな、褒め方それ?

 「カスミ、営業部結構イケメンいるからね。そうか、いいね、仕事しながら眼福な毎日で。私の周りはおじさんだらけ。」
 「雫、そんなこと思ってないくせに。いつも、ウチの方へ来るとうるさいからイヤって言ってなかったっけ?」
 カレーを頬張った口を押さえて、水を飲む。

 「そうねえ。目は眼福なんですけど、耳がうるさくて。」
 カスミは笑いながら福神漬を入れていく。

 「雫。最近どうなの?」
 その聞き方はプライベートでしょうか?

 「……特に何もございません。」

 カスミが呆れたように見る。

  「私がどれだけあんたの堤防になってるかわかってる?沢渡さんはどうしようもないとしても、昨日は新田さんにあんたのこと聞かれて……新田さんはやばいよ。営業事務の子も憧れてる人結構いる。最近彼女と別れたらしくて、活動再開してるって噂本当だったんだね。」

 活動って……婚活かなにかです?

 

 
 
 
 
 
 
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