公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね

他の男に見せたくない!

 パーティーの数日前、ジリアンたちがクローゼットの中でドレスを選んでいると、主寝室との扉が開いてブレントンの銀仮面が現れた。

「入っていいかな?」
「もちろん」

 答えつつ、彼を迎えに扉まで走って行った。

「ここのところ、きみに放っておかれているからな」
「まあっ! そんなことはありません。ブレントン様だって、イーサンやボスたちと打ち合わせに余念がないではありませんか」

 やり返すと銀仮面の下に苦笑が浮かんだ。

 そうと認めたときには、彼の太くて長い腕がわたしの腰に巻きついている。
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