愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

バカンスの離宮(ウェズリー)

 湖畔を散策していると会いたくない奴に出くわした。

「ジュール殿にプリシア王女」

 美男美女といった二人だった。

「ウェズリー殿にミシェル! どうしてここに?」

 ジュール殿が驚いた顔をした。


「陛下が勧めてくださって、こちらに部屋を用意してくださったんだ。ジュール殿はどうしてこちらに?」


 いるとは聞いてなかった。ジュール殿がいるのなら断ったのに!



「プリシアが暑いというものだから、急遽連れてきたんだよ」


「ウェズリー殿下お久しぶりですわね。そちらの方が婚約者の方ですか? あまり王宮では見慣れない方ですのね」


 なんだ? この違和感……以前話をしたプリシア王女と感じが変わっていた。物腰柔らかな感じがしたのに。雰囲気が変わった? ようだ。


 恐らくミシェルとは身分が違うと遠回しに言っているのだろう。それともジュールとミシェルの昔の関係を知っての事か? まだ分からない事だらけだ。


「ミシェルはプリシア王女に会うのは初めてだろう? ジュール殿の婚約者で、東の国の第三王女だよ」


 挨拶を促してみたが、挨拶をしたらすぐにこの場を去ろう、滞在日数を減らす事に決めた。

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