【一気読み改訂版】とし子の悲劇

【第36話】

その日の夜9時頃のことであった。

アタシがバイトをしている伊予三島中ノ庄町《みしまなかのしょうちょう》の国道バイパス沿いにあるサンクスに久永《ひさなが》さんがやって来た。

あいつが議会場で議長や関係のない議員さんたちや徳島県知事をブジョクしたあと、県庁から逃げ出した。

ことの次第を聞いた久永《ひさなが》さんが、アタシに助けを求めた。

アタシは、陳列ケースに新しく来たお弁当をならべる仕事をしながら久永《ひさなが》さんに言うた。

「あのね!!アタシはあいつを助けることができんのよ!!アタシにどうしてほしいと言うのよ!?」
「としこさん、私はただ…真佐浩《まさひろ》さんを見かけたら知らせてほしいとお願いしているのだよぉ…真佐浩《まさひろ》さんのご両親も心配になっているのだよ…頼む!!」
「アタシは、上級国民《クソバカ》を見かけたら組長に電話すると決めたのよ!!組長に電話して、あいつをコンクリづめにして東予港《にゅうがわのみなと》へ突き落とすわよ!!あんたも上級国民《クソバカ》の家と関わることをやめなさいよ!!」
「としこさん…なんでそんな過激なことをするのかなァ…真佐浩《まさひろ》さんはヤクザにうらまれるようなことは一切していないのだよ。」
「ウソばかり言われん!!アタシはあいつから暴行を受けたのよ!!弁護士さんに頼んでも話にならないのよ!!だからアタシは、ヤクザ使ってあいつをコンクリづめにしてドラム缶ごと沈めないと気が済まないのよ!!」
「としこさん…真佐浩《まさひろ》さんは苦しんでいる…」
「はぐいたらしいわね!!あんたはいつ頃から上級国民《クソバカ》のの家と関わるようになったのよ!?」
「としこさん…」
「アタシは思い切りブチ切れているのよ!!あいつが過去にDVの前科があったことをなんで話さなかったのよ!?」
「そんなこと言うたら、せっかくのお見合いが台なしになるから言わなかった!!」
「キーッ!!何なのよあんたは一体!!もうブチキレたわよ!!これ以上居座るのだったら、ほんとうに組長呼ぶわよ!!あんたもコンクリ詰めにしてドラム缶ごと東予港《にゅうがわのみなと》へ沈めるわよ!!」

久永《ひさなが》さんを思い切り怒鳴り付けたアタシは、奥の部屋へ逃げ込んだ。

アタシは、上級国民《クソバカ》の親類縁者たちをひとりずつ血の池地獄へ墜《お》として焼き殺すと激怒した。
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