アンコール マリアージュ
約束は守りますからね?!
(はあ…)

大きなため息をつきながら、真は社長室の前で立ち止まる。

気が重い。だが、報告しない訳にはいかない。

気を決してドアをノックした。

「社長、真です」
「どうぞ」
「はい。失礼致します」

ドアを開け、硬い表情でお辞儀をしてから顔を上げると、社長はにこにこと真に笑顔を向けていた。

「昨日は、休ませて頂きありがとうございました」
「いやいや、休んでいた訳ではないだろう?良くやってくれた」
「は、あ、あの?」

真がキョトンとしていると、社長は立ち上がり、真の肩をポンと叩いてきた。

「助かったよ、真。これで我が社は、ますます大きく宣伝される」
「あの…、取材の件は」
「ああ。今朝、真菜さんから電話があったよ。雑誌の取材、引き受けるってな」
「えっ!」
「早速先方にも連絡した。大変喜ばれたよ。通常よりもページ数を増やして、彼女を特集したいと。真、取材の日は彼女をサポートしてあげなさい。分かったな?」
「は、はあ」

半分首をひねりながら、真は気の抜けた返事をした。
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