転生公爵令嬢のイチオシ!

5.ちょっと休憩

今日も図書室で勉強中。
お互いに教科書とノートを広げて向かい合わせで復習している。
ストライブ様は私の手が止まるとすぐに気づいてくれる。

「ああ、これはですね…」

と、分かりやすく説明してくれる。

学校の先生とか向いていそうね!
でもストライブ様のような先生がいたらモテモテだろうなー。
女子だけじゃなく、男子にも人気の先生になりそう。

部活は…やっぱり文化部系の顧問かしら?
なんとなくイメージで。
でも運動部だと…テニス部とか!?
似合うわ!!これもなんとなくイメージなんだけど!
爽やかな感じが!

そして、スーツ…。
チラリとストライブ様を見る。
似合うわ!!スーツにネクタイ!!
ストライブ先生の授業なんてガン見しちゃうわね。
もちろん!今の学園の白い制服姿もとても素敵よ!
でもスーツは大人の色気がプラスされるのよ!
プルプルと拳を握る。

「どうかしましたか?少し休憩しますか?」

テスト無関係の妄想が膨らんでいるとは知らず、プルプルしてる私を心配してくれるストライブ先生。
優しいわ!

「せ、先せっ!いえ!失礼いたしました!大丈夫ですわ!」

ごめんなさい!勉強に集中します!
いけない、いけない。
楽しく暴走してしまったわ。
完全に芽衣になってました。
私はメリアーナお嬢様です…。

こんなことを考えるなんて、最初は緊張していたけど、だんだんストライブ様と一緒にいるのに少し慣れてきた証拠よね。

「クスッ。ではもう少し進めますか?」

ニコリと可愛く微笑むストライブ先生。

「はい!」

頑張るぞー!

しばらくまた復習してたけど、目が…。
う、いけない。昨日も遅くまで勉強してたから少し眠たくなってきた。
ダメダメ!気合いを入れて!
カッ!と目を見開くけどまた閉じてきた…。

コロコロとペンが転がる音がした。
メリアーナが手からペンを離してしまった。

うつらうつらとユラユラしながら寝ているメリアーナ。

「フフッ」

ガタン

メリアーナの隣に座りなおし、メリアーナの頭を自分の肩にもたれかけさせる。

頭が安定してさらにスヤスヤと寝てしまったメリアーナ。

徐々に自分の方に寄り掛かかり寝ているメリアーナを微笑みながら見つめているストライブ。

そんなふたりを熱い目で見守る図書室内。
興奮しながらオーディエンスは声を潜めて盛り上がっていた。

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