見つけたダイヤは最後の恋~溺愛は永遠の恋人だけ~
仕掛けられた罠/side伊織
「悪いな、快斗」

「いーよ、伊織さんのためならエンヤコラだし」

「ハハハ、ありがとな」

俺は乃愛の実家から飲み会のお店まで快斗に送ってもらうことにした。




「ここだよね」

「そうだな。ありがとな、じゃあまた連絡するから、よろしくな」

「オッケー!いってらっしゃい。こっちのことは任しといて」

「あぁ、サンキューな」



集合時間は18時。
その時間に店に入ると、園田と新見とユキさんを含め6人がいた。

とりあえず皆でビールで乾杯。
料理をつまみながら話が始まる。

「いや~九十九さん、お疲れっす」
「新見、久しぶりだな」
「奥さん、こっちの人なんですってね」
「あぁ」
「へぇ、俺も会ってみたかったなぁ」
「新見さん、すごく可愛い方でしたよ。それに優しくて。九十九さんがデレデレで、とってもお似合いでしたよ」
「えっ園田、ほんとかよ!さっすが九十九さん、見る目あるぅ!」

新見は乃愛の親父さんの会社を知ってるから、今はその事は言わないでおこう。
調子のいい男だし、あまりプライベートを見せたくないんだよな。
それに他のスタッフ…特にユキさんにもまだ知られたくないからな。

そんな俺の気持ちを知ってか、園田は終始、本当に上手い言い方をしてくれていた。
マジでデキるいい男だよな、園田は。

主に新見と園田と話していたが、他のスタッフとも話していると、ユキさんも話に加わってきた。

伊織くんと呼ばれるのが鬱陶しかったけど、指摘したところで直すような人じゃないしと諦めの気持ちで放っておいた。


腕時計を見ると20時すぎ。
そろそろ帰ろう。
元々顔を出す程度の予定だしな。

「じゃあ俺はこれで失礼するよ」

「え、もう帰るんすか?夜はまだまだっすよ?」
「あっ、そうですね。九十九さん、わざわざありがとうございました」

そう言って帰らせてくれる園田にコソッと「お前のと併せて払ってくれ」と、少し多めに食事代を渡した。

「いやいや、こんなに貰えませんて!」と言われたけど、園田には店でユキさんからのガードもしてもらったから、そのお礼も兼ねて。

「これから店を出る」と乃愛に連絡した後、トイレに寄って快斗にも連絡し、店を出ると、ユキさんが店の外にいた。



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