幸せの契約
それから
運ばれてきた料理はどれも美味しくて


今まで食べた事がない高級食材ばかり



あっと言う間に
フルコースを間食した



そして
場所を隣の部屋に移して


―そこもまた果てしなく広く豪華絢爛な応接室―


どこまで沈むのか分からないくらいフカフカのソファーに座って


淹れたてのアールグレイを飲む



「時に平瀬さん。」


蔵之助さんが姿勢をただす
適度に走る緊張感


「はい…。」


私も自然と姿勢をただす


「今、お付き合いしている男性はいますか?」


「…はい?」



それは突拍子もない質問のように聞こえた
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