幸せの契約
コンコン


いつもと同じ軽快なノック音


でも
今日はそれがズキンズキン頭を叩く


「おはようございます、鈴様。お目覚めのおじかんでございます。」


犬居さんの声は
何よりも聞きやすいはずなのに…


「は…い…。」


体は重くて
頭は誰かに叩かれてるみたいにガンガン


「鈴様…?」


私の異変に気付いた犬居さんがベットに歩み寄った


そして
私の顔を覗き込む


いや、
ちょっと…近いよ


寝起きなのに


一気に顔が熱くなる
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