幼なじみ〜first love〜

蒼―side―

俺と絢音は、ケンの家を後にした。




少し斜め前を歩く


絢音の小さな背中




辛いだろ……?


抱きしめてやりたい………




「絢音…おまえのせいなわけ、ないだろ?」




絢音は足を止め、ゆっくりと振り返る。その表情を俺は見るのも辛かった。




「でも…美々ちゃんを襲った男たちが、あたしの名前を知ってたんだよ?誰がこんなこと?あたし…どうすればいいのぉ…っ」




絢音は涙を流しながら顔を両手で覆う。




「俺が…絶対に見つけるから。高梨を襲ったヤツら、絶対に探し出す。だから…おまえはもう泣くな…」




「蒼…」




「おまえのせいなんかじゃない。これは犯罪だ。おまえは絶対に何も悪くない」




「でも……」




「…おまえのせいじゃない」




俺は絢音の手を握り、家までの道を歩いた。




月明かりだけが


俺たちを照らす




どんなに暗闇でも


光はどこかにあるはず




その光を探すこと


諦めたりしない
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