りんごあめみたいな
さくらんぼ

次の日。あたしの目は今までで一番ぱんぱんに腫れてしまっていた。



昨日、家に帰ってものすごく泣いたもんな―…。


朝、鏡を見ながらそっと思った。



『中島ー…』



呟くように呼んだアイツは今誰を想っているの?


小川さんにはフラれたのに。

まだ好きなんだね。


馬鹿じゃないの。


そんな恋、やめちゃえばいいのに。




…なんて、なんだかよく分からない八つ当たりをしたり。


あたしだって中島と同じような状況でまだ中島の事が好きなんだから。





洗面所で顔を洗い、部屋に戻ると携帯がチカチカ光ってる。


携帯を開くと画面には「メール1件」の文字。



ドキリとした。



中島からのメールだったから。



「朝早くごめん。今日、一緒に帰らない?」



…そんな、気まずい状況はやだ。


できることなら断わりたい。



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