37.3℃のキス《短》
37.3℃
朝、目を覚ますと山岸君はもう起きていた。
布団はたたまれていて部屋の端に寄せられている。
そして私が起きたことに気付くとすぐに体温計を渡し、ちょっと待ってろと言ってから部屋を出て行った。
熱はもう37.3℃まで下がっていた。
山岸君のおかげだな。
山岸君が部屋に戻ってくると手には昨日のお粥があった。
それを食べて薬を飲まされて、それからまた少し話をした。
昨日のことには触れずに。