37.3℃のキス《短》

「山岸君?」

焦る気持ちを抑えながら、今度は少し強めに呼び掛けてみた。

そして。

返事のかわりに私に聞こえてきたのは……山岸君の寝息だった。


ドキドキと鳴っていた心臓の音が一気に小さくなっていく。

まさか、話してる途中に寝ちゃうなんて。

だけど今日、色々と疲れたんだろうな。


私はそう自分を無理矢理納得させて眠ることにした。

山岸君の話の続きは気になったけど。

それを考えると少しドキッとしたけど、山岸君の寝息を聞いているあいだに私も夢の世界へ旅だった。
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