流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
ひとしきり遊んだからか、幸姫と亜姫は仲良く並んで眠っていた。

「寝ちゃった」

くすっと笑いながら、希美は自分の来ていたカーディガンを2人にかけた。

「さてと、これからどうするの?」

大人だけの第二弾ということで、お酒をメインに1つだけすき焼きをまた作り始めた。
幸村はビールがどうもお気に召さない(というより合わない)ようで、焼酎を飲み始め、玲子がそれに付き合っていた。

「どーするもこーするも。とにかく、お館様のところへ戻らねーと」

佐助がちゅるっとマロニーを吸い込む。どうにもこっちの世界への順応性は、幸村より佐助の方が高いようだ。

「そう…だな」

少しさみしそうに、幸姫の方を見る幸村に、玲子は何も言えなかった。

「でもさ、どうやって帰るの?」

希美の言葉に、佐助はうっとつまった。確かに、きたのはいいが帰る方法が分からない。信長たちも当然いなくなっていたため、本当に手がかりが何もないのだ。

「私もとりあえず、何かわかるかもしれないし、探り入れてみる」

希美はそういうと、くいっとビールを一気に飲み干した。

「お、いい飲みっぷりだねぇ」

佐助はそういうと、あいたグラスにビールを注ぐ。

「あ、ありがとう」

希美は佐助に注いでもらったビールに口をつける。

「私も、少しワールドヒストリのことや、サルーシアについて調べてみます。もしかしたら、戻る方法が見つかるかも知れないですから」

正弘の言葉に、玲子たちは頷いた。

「ま、今はとにかく。おいしいもの食べて、お酒飲んで!楽しもうよ」

希美の一言に、みんなが頷いた。

「お肉は貰ったー!」

玲子がそう言って鍋の中のお肉をごっそりとっていく。

「あぁ!何すんだ玲子、てめぇ!」

佐助が玲子の器のお肉を狙う。が、幸村がそれを阻止する。

「佐助、行儀が悪いぞ!」

そんな3人を尻目に、こそっと玲子の器から希美が肉を奪っていく。

「あ、こら、希美!」

「ばれたぁー」

そんな様子を楽しそうに見つめながら、正弘はせっせと残っていた野菜や肉を食べていく。

楽しい食事の時間が過ぎていった。
< 116 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop