流れ星に願いを 〜戦国遊戯２〜
「別れは必ず来るんです」

確信にも近い感覚。玲子はそれを感じていた。

「今、あの子が父親が目の前にいると知ったら…別れがもっと辛くなる。だから、言わないんです」

「れいちゃん、どうしたの？」

気がつくと、幸姫が玲子のすぐそばに立っていた。

「なんでもない、なんでもないよ？どうしたの？ゆっきーたちと遊んでたんじゃないの？」

ふっと見ると、亜姫に馬乗りになられて歩き回っている佐助と、くたくたになって倒れこんでいる幸村の姿が見えた。

「どうしてないてるの？どこかいたい？」

心配そうにぺたぺたと顔を触る幸姫を、玲子はギュッと抱きしめた。

「…ごめんね、幸姫」


わがままだと思う。自分勝手だってわかってる。
ゆっきーと過ごしたことをなかったことにしたくなくて、どこかで繋がっていたくて。

だけど、幸姫には自分と同じような辛さを味わってほしくないから、父親のことは言わない。
これから先もずっと。


「だいじょうぶ？」

幸姫に言われて、玲子は頷いた。

「ごめんね、幸姫」

玲子はギュッと、幸姫を抱きしめた。
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