目が覚めると、やわらかくて暖かい感触に気づいた。


おふとん。…おうち?


むくっと起き上がり、布団からするっと抜け出した。寝ている玲子と希美を起こさないように、そっと部屋を出ていく。

眠たい目をこすりながら、トイレから出てくると、そこには佐助の姿があった。

「どうしたの?」

小さく欠伸をしながら聞くと、佐助はハッとした表情で首を横に振った。

「いや、何でもない」

小さく苦笑いを浮かべながら、佐助がそう言うと、幸姫は首をかしげながらそのままリビングのソファへと座った。

「どうした?」

今度は佐助が幸姫に聞く。

「もうおきるじかんだから」

「…そうか」

佐助がそっと隣に座る。

「…幸姫には、父親はいないのか?」

佐助に聞かれて、幸姫は少し俯いた。

「いない。でも、れいちゃんがいるからへいき」

「父親に会いたいとは…思わないのか?」

聞かれて少しの間のあと、幸姫はふるふると首を横に振った。

「おとうさんにあいたい。でも…」

玲子のさみしそうな、辛そうな表情が今でも忘れられない。
聞いてはいけない、願ってはいけない。

今でもそう、幸姫の中では思っていた。

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