蝶々結び
翌日、あたしが起きたのは昼前だった。


結局、昨日は中々お開きにならなくて、大変だった。


お酒が入った大人達のテンションは、計(ハカ)り知(シ)れない。


一人だけジュースで過ごしていたあたしは、ずっとその場の雰囲気に付いていけなかった。


だけど、この田舎町の優しい人達と雰囲気は、あたしをどことなく安心させてくれる。


疲れはあったものの、楽しかったのも事実だった。


隣を見ると、母の布団も敷いたままだった。


あたしは、階段を降りて居間に向かった。


「おはよー」


居間を覗くと、母の姿だけがあった。


「あぁ、起きたのね。もうちょっとしたらおじいちゃんもおばあちゃんも帰って来るから、お昼ご飯待とうね」


「うん」


昨日は二人も遅くまで起きてたのに、いつも通り畑に行ったんだ……


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