焦れ恋オフィス
「夏基は…どうしたいんだ?芽依だって、あれだけ綺麗なんだから高橋専務だけじゃなくて他の男にもってかれる事もあるぞ」

「離すかよ。高橋専務にだって渡すつもりはない」

…宏二の言葉に必要以上に反応してしまった…。

ソファの背に体を預けて苦笑する。

「どれだけ好きなんだよ…」

思わず出た言葉が、俺の本音…。

絶対誰にも渡さない。
芽依に憎まれても、二人で苦しみながら側に置く。

綺麗事じゃない。
芽依が手元にいる事が、俺の人生。

「…なぁ宏二…好きな女を嫁にするには、まず何をどうすればいいんだ?」

「…」

携帯の向こうで息をのむ声が聞こえた。

くくっ。

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