俺たちの反抗
第五章
「いってきます」

「いってらっしゃい」

いつものように家を出る。

いつもと変わらない登校。

だが違うことがあった。

俺は決心していたのだ。

今までとは違う。

担任に怒られても黙っている俺ではない。

今日は逆らってやる。

そう固く決心したのだ。

俺の中で揺るぎない信念が芽生えていた。

人間見た目なんてどうでもいい。

容姿なんて、格好なんてどうでもいいんだ。

心だ。

担任は、教師のくせに、いじめられて死ぬほど悩んでいた俺を助けなかった。

見捨てたんだ。

こんな人間の言うことが正しいはずがない。

世界中の百人が担任が正しいと答えても、俺は自分が正しいと思う。

担任が間違っていると思う。

学校に近づくにつれ、歩いている身体が震えていることに気づく。

いじめられていたときの感覚を思い出してしまう。

登校するのがいやでいやで怖くてたまらなかった。

俺はハッとした。

あの頃と全く変わっていないことに気づく。

今は担任にいじめられているのだ。
< 22 / 205 >

この作品をシェア

pagetop