いちばんの星
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ミュリエルとヴェルヌの話は使用人達の間で瞬く間に広がり、大臣ザランの耳にもすぐに届いた。
「あれほど本気になるなと申し上げたのに…」
先代から王家に仕えているザランは、大切な王家の血筋に使用人の血筋が加わるなど考えられなかった…
頭を抱え考え込むザランの部屋にある人物が尋ねてきた。
「失礼いたします」
「リヴィア殿…」
ヴェルヌがミュリエルに入れ込んでいると聞いたザランは、ヴェルヌの気持ちをミュリエルから離すためにリヴィアを利用しよう考えた。
そして今日。直接リヴィアにその事を話そうと前もってリヴィアを招いていた。
まさかこんなに早くふたりがくっつくとは…
予想外の展開に多少動揺はしたものの、リヴィアをソファーに座らせると落ち着いた様子でザランは話し始めた。
「最近王は一人の使用人にめっぽうご執着でな…」
その話を聞いた瞬間、リヴィアの美しい顔が一瞬ひきつった。
「存じておりますわ…」