恋の唄


「ご両親には話してあるから」


古賀はそう言って、俺を結衣の部屋に通した。

海は先に帰るのかと思いきや、古賀と一緒に手伝いを始めてる。

俺だけにして最初は嫌がらせかとも思ったけど、初めて入る結衣の部屋には結衣の優しい香りがして……

不思議と、俺の心を落ち着かせていた。


ここにいると、結衣が死んだなんてますます信じられなくなる。

確かに階下では通夜が行われてて、もう目を覚ます事のない結衣までいるっていうのに。



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