女シャブ売人人生-波瀾万丈な一人の女の物語-

新たな決意

『本気でいうてんの?そんなに甘くもないで』
『はい、大丈夫です。お金を貯めたいしだいたい知ってる人ばかりだし』
『無理に頼んだ訳ちゃうで。ただ、どうせお金出して買うならって思ったし、毎日一万と自分のいく分は浮いてくるしお金ないっていうてたから信頼できるから声かけてみてんけど、甘くないで』
『はい、大丈夫です。パクられる様な事は絶対にないんで。客いうても、だいたいが私の年下とか知ってる人ばかりやし』
『絶対に絶対はないで。いつ何があるか分からんし、仮にもしパクられたりしても責任持たれへんしな。まして子供いてるから、その辺よく考えてから決めた方がいいで』『はい、でも大丈夫です。お金欲しいし。仮にパクられたりしても私だけで済むし』
『子供いてるやん』
『っていうかパクられる気しないんですよ』

再び沈黙となった。
少し考えて私は年下の女の子に言葉をかわした。
『じゃあ、腹くくった上で仕事をするって事で絶対に守って欲しい事があるからきちんと守れるなら仕事をバトンタッチしようと思うけど、いきなりやと分からんやろうから初めだけ一緒に仕事について教えるわ』
『わかりました。お願いします』
『そやけど本間に仕事するん?』
『はい』

何となく嫌な予感がある中で私は再び最後に確認 の言葉を聞いた。

その日の夕方から、年下の女の子が家に来て一緒に仕事をする現場のやり取りを見ながら説明し教えていく事になった。
淡々とたわごとの様に私は説明していた。

それは女売人としての『売人ゆか』としての口調になっていた。
その日から年下の女の子は『売人えりな』となった。
勿論、売人としての通称名。
えりなの目に映るシャブの世界は一体どの様に写っているのだろうか。
私には分からんかった。ただ、ひたすら好奇心がえりなを刺激しているだけの様に実感しながらも『売人えりな』を誕生させてしまったのです。

そしてこの日から、彼女の人生も変えてしまう事になった事が後々、一生に残る結果にも繋がっていく事になるとは考えてもいなかった私だった。
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