純白の翼

「零。お前、何の用で来た?」
零は、笑った。
「我等の同胞が人に泣かされたと聞きましたので。
面を拝みに来ただけですよ。」
僕は、背中に寒気が走った。
どうも、この笑みは落ち着かない。
…これは、捕食者の笑みだ。
「ちょうどいい。お前、自己紹介がてら俺と久々に模擬戦といこうじゃないか。」
「先生相手なら、手加減がいらなくていいですね。」
「今の時間なら、体育もないし体育館でも借りるか。」
三善は、伸びをした。
「じゃ、俺はファイル置いてくるから、先に二人で行っててくれ。」
零は、僕に笑いかけると「行きましょうか。」と言った。
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