ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 近付くと、小さく息をしているのが分かった。


 まだ生きていた。


 けど、“虫の息”とはこういうことを言うんだと感じるほど、蔦山さんは衰弱しきっていた。


 それでも、蔦山さんは俺に気付き、もう顔をこちらに向ける体力すら残っておらず、瞳だけを俺に向けた。


 そして微かに唇が動き、消え入りそうな声で途切れ途切れに呟いた。


「ありさ…か…すま…ない…」


 その途端、俺は目頭が燃えるように熱くなるのを感じ、気付くと俺は、泣きながら銃口を蔦山さんに向けていた。


「あの世で…まどかさんに謝れ。そして母さんにも…」


 兄貴の言葉で俺は、母さんを殺したのも蔦山さんだと気付いた。


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