ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 塀の角を曲がるとそこに、黒い影とは別のもう二人の男がいた。


「相変わらずボサっとしやがって。鉄格子の中で臭い飯食いたいか?」


 黒い影が呆れたように言った。


 兄貴だった。


「は?ああ…」


 なんとも間抜けな返事をし、兄貴を見ると、兄貴の目線は俺の頭上に注がれている。


 視線を追って振り返ると、塀の上に監視カメラが設置されていて、規則正しく左右に動いていた。


 あ、もしかして映っちゃった?


 俺の渋い哀愁歩行映像が全国ネットで放映されちゃう感じ?


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