黒の生け贄。〜悪魔は笑う〜
第一章。

臨床ニュース。

臨時ニュースです。
今朝、土生町の赤松公園で成人男性が遺体で発見されました。


今回も遺体の背中に「生贄」という文字を刃物のようなもので刻まれているため、犯人は同一犯とみて連続殺人として警察は調査を始めた模様です……続いては天気予報……………………。










「みんな気をつけてください。なるべく一人で下校しないようにしてくださいね。」

と、教壇に立つ有子先生は僕ら生徒に伝えた。




何故かというと僕が通う美島高校からさほど離れてない場所、赤松公園で殺人事件があったからだ。


最近、僕が住む美島で謎の殺人事件が起きたのだ。今朝、たまたまテレビをつけたら臨時ニュースが流れた。


どうやら、同一犯と確信した警察は連続殺人事件として調査を始めたらしい。


まぁ、ニュースの情報によるとまた遺体の背中に「生贄」という文字を刃物のような物で刻まれてたらしいから一般的に考えても同一犯と考えるのが妥当だろう。




美島はその事件の話でもちきりだ。
勿論、美島高校も例外ではない、噂話が絶えないのだ。
犯人は狂った老婆だとか、幽霊の仕業だとかその他色々な説が飛び交う。





「号君、ニュース観た??」

と隣の席の亜美が僕の肩を叩いた。
ついでに付け足すと僕と亜美は幼なじみだ。





「あぁ、観たよ。最近はその話でもちきりだよな。」

「うん、なんか気持ち悪いよね。背中に『生贄』て文字を刃物で彫られてたらしいし………」


亜美はわざと顔を歪めて僕に顔を向けた。




「確かに、背中に『生贄』っていうのは気持ち悪いよな。」


と喋っていたら、下校のチャイムが校舎全体に響いた。





亜美が不安そうにしてるから一緒に帰ることにした。
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