黒の生け贄。〜悪魔は笑う〜
亜美を送った後、僕は部屋で新聞を見ている……………。
僕は、ただの興味本意で事件のことを調べ始めた。





今朝、起きた事件の記事を見つけて目に通してみる。

土生町の赤松公園の滑り台の下で心臓を刃物で刺されて即死だったらしい、名前は佐々木 望三(ささき のぞみ)25歳のフリーター。あと、背中を刃物で『生贄』と刻まれていたらしい。




それから僕は3日前の新聞を取り出し、事件の記事に再び目に通してみる。


土生町の土生港の公衆トイレの中で成人男性の遺体が発見されたらしい、首を紐で絞められて窒息死。
伊瀬木ノ 一(いせぎの はじめ)20歳で大学生だ。
勿論、背中には『生贄』という文字が刻まれていた。





疑問はどうして犯人は背中に『生贄』という文字を刻んだのかということだ。




何かのメッセージかなと考えてみるが解るはずもない警察が解らないのに僕が解るはずなどないからだ。





それよりも、僕が気になるのは人を殺すといった犯人の感情だ。
自分の手で人を殺めるといった行動の後の快感、恐怖はどんなものだろうかと想像するだけで僕は楽しくなってくるのだ。





僕は他人となんだ変わない通常だが、ただこういった事件や哀れな人間に興味を示してしまう。





例えば、心霊スポットを興味本意で行く行為とさほど変わりはない。
ほとんどの人間がそういった本能的な面を持っているはずだ。





僕もその一部みたいなものだ。だから通常の人間だと僕は思う。





僕は、事件の記事を切り取りノートに貼り、大事に机の中に入れた。





僕は、犯人を捕まえるよりもちょっとした憧れを抱いてる。





明日にでも、殺人事件の現場巡りにでも行こう。
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