初恋タイムスリップ【完】

家族

家に入ると

そこには…お母さん…




「ただいま」


あの頃は通り過ぎていたリビング。

ドキドキしながらお母さんに声をかけた。


「何よ…おかえりとでもいってほしいの!早く!ピアノの練習しなさい!」



久しぶりに見るお母さんは、やっぱりお母さんだった。


お母さん…考え方を変えてほしい。



じゃなきゃ…また同じ未来になってしまう。


「お母さん。

私、彼氏がいるの。成海くんが、好きなの。この気持ちは絶対に変わらない。お母さんにわかってほしい!」


お母さんは驚いた顔をして私を見た。

「み…美音…あんたが私に反抗的な態度をとるなんて…絶対に許さない!!!美音!!!」



お母さんは思い切り 私を突き飛ばした。


私は恐怖を感じて自分の部屋に走った。


お母さんが泣き叫んでいる声が聞こえてきた。


このままじゃダメだ。

お母さんを変えなくちゃ。


それには、お父さんと話すしかない。







この日は夜、お父さんが帰ってきた。

お父さん、10年若いはずなのに、なんだか疲れた顔しているなぁ…



「お父さん、ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」

玄関でお父さんに話しかけた。
お父さんなら絶対にわかってくれる。
私は本当のお父さんを知っているんだから。

お父さんは周りをキョロキョロしていた。


お父さん、

お母さんの手前、私とはなせないんでしょ。


わかっているよ。

「お母さん今お風呂入っているから大丈夫」


私がそういうと、お父さんは驚いた顔をして、

「とにかく自分の部屋にいなさい。後で話しを聞きに行くから…」



そういってリビングに入っていった。








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