ドライヴ~飴色の写真~
 それは、写真だった。



 写っているのは《私》。



 《その私》は、カメラには気付いていない様子でアパートの駐車場に停めた車から降りようとしている。
 服装は、最近お気に入りの青いシャツと黒いプリーツスカート。



 思考回路が一時停止した状態で、封筒の中を覗く。

 中には数十枚の写真が入っている。

 それらに写っているのは全部私なんだと、意外とあっという間に理解出来た。



 手から、封筒が滑り落ちた。
 その反動で、中の写真が数枚、玄関のコンクリートの上に散らばる。


 私が、散らばる。


 頭の中が、真っ白になった。
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