ドライヴ~飴色の写真~
 出した瞬間、その違和感に気付いた。

 まず、感触。
 カタログのような、本のような感触ではない。
 中に入っているのはおそらく、何枚かの《紙》。
 限りなく何十枚に近いかもしれない。

 そして、表面に書かれている、宛名。

 住所などは書かれておらず、ただ《田中和紗様》と、私の名前だけが手書きの文字で書かれてある。


 怪しいのはわかっていた。

 でも、無意識に手が、封をしっかりと閉じているビニールテープをはいでいた。

 開いた封筒に右手を入れる。

 1枚の紙を掴んだ。

 それを出す。


 ……出さなきゃ良かった。
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