ドライヴ~飴色の写真~
「……なんだ、これは」

 篠さんが、中の写真達を取り出し、不思議そうにそれらを見つめた。

「オレにくれるのか?」


 ………。

 篠さんと5秒位、目が合った。


「……え、なんですか。バカなんですか?」
 
 私は改めて冷やかな目で、篠さんを見た。
 おかげで、少し落ち着いたような錯覚に陥る。


「違うのなら、コレは《なぎさんがもらったのか》」

 篠さんが封筒の表面を確認する。

「……住所が書いてないな。直接ポストに入れたのか」

 そう言って、顎に右手を添え、どうやら何かを考えているようだ。
< 22 / 137 >

この作品をシェア

pagetop