ドライヴ~飴色の写真~
「篠さん、あの。これって、もしかして」

 私は、恐る恐るそれを切り出した。

 それに篠さんが、キッパリと答えた。


「ああ、実にわかりやすい《ストーカー》だな」


 ストーカー。

 まさか、自分がストーカーに狙われるなんて、思いもしなかった。

 でも、今のこの状況は、そう認めざるを得ない。


「篠さん。私、どうしたらいいんですか」


 恐怖。不安。心配。

 今の私の感情と心境は、とても自分一人じゃ抱え込めない。

 一体、私はどんな顔で篠さんを見つめていたんだろう。

 篠さんは、前に見たあの優しい笑顔を私に向けた。
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