指輪

姉の優しさ

「り―――ん―――――!!」


あたしが店の階段を下りているとお姉ちゃんが手を振りながら叫んでいた。

お姉ちゃん･･････

恥ずかしいよ。

でもあたしの気持ちなんかお構いなしにお姉ちゃんは叫ぶ。


「り――――ん――――ちゃんっっ」

次は『ちゃん』までつけて叫んでる。

飲んだあとのようなﾃﾝｼｮﾝ。

本当に飲んだか･･･?


「お姉ちゃん五月蝿い!!恥ずかしいからやめて。」

「えぇ～～なんで!?!!」

どこが恥ずかしいの!?とでも言いたそうな顔をしている。

ﾊｧｧ･･･

あたしはもう諦めた。

だから急いで階段を下りてお姉ちゃんのいるところまで走った。

お姉ちゃんはあたしが急いでるのを見て腕を広げる。


でもそれをｽﾙｰして車に乗り込んだ。

そんなあたしをみてお姉ちゃんはﾌﾞｰﾌﾞｰ文句を言っている。


「お姉ちゃんとにかくここに居たくないの。
　早く車出して。」

あたしが無表情で淡々と言った。

それでお姉ちゃんは何かを感じてくれたみたい。

すぐに車を出してくれた。