貴様!何様?会長様!?
(( 華奈*side ))
「わ…始まってる!」
私が体育館へついた時、ステージにはすでに零会長の姿があった。
私は体育館の入口で足を止めた。
と言うより、足がすくんだ。
マイクを使ってるから、声は十分に聞こえる。
ドキドキと脈打つ心臓に手を当て、私は真っ直ぐに零会長を見つめた。
「俺は今まで、この学園をよくしようなんて思ったことは、一度もない」
零会長の落ち着いた声が、広い体育館に響く。
「偏差値や評判なんて、関係ない。そんなものにとらわれて過ごす日々など、時間の無駄だ」
ドキドキが、徐々におさまっているのが分かる。
「ただ笑ったり、泣いたり怒ったり、こうして過ごす日々の方が、何倍も価値がある」
きっとそれは、零会長を見て緊張がほぐれたんだ。
この人に、心配なんていらない。