「ん……ぅ……」


ほかほかとしたベッドの感触を感じ、うっすらと目を開ける。

目の前には寝室のベッドの天幕が広がっている。



身体が…重い……

そうだ…私湖に落ちたんだ…



気だるい体で横を向くと、そこには予期せぬ人物がいた。




「っ…!!」

「起きたかい?シェイリーン」


ベッドの横に椅子に腰かけ、本を読んでいたのはラルフだった。

まるで私に寄り添って看病をしているようだ。




「ラル…フ……」


自分の出した声に驚く。

それもそのはず、やっとの思いで出した声は言葉を紡ぎだすのも困難なほど掠れていた。

掠れた声に読みかけの本を閉じ、眉を寄せてベッドに近づくラルフ。





「声が酷く枯れている。それに顔も赤い。風邪を引いたんじゃないか?」


ラルフは持っていた本を脇に置き、私の額に手を当てながら顔をのぞく。

きっとグレイク伯爵の屋敷から帰る馬車の中で寝てしまったため体が冷えてしまったのだろう。