恋愛一色
~第七章・好き~
帰宅した俺は、部屋の中に閉じこもり、ずっと携帯とにらめっこをしていた。


先生の携帯番号を見るたび、胸がいっぱいになる。



そしてため息が出るんだ。



『はぁ…』


これは幸せのため息。


先生を思えば思う程、次々にため息が零れる。



俺さ、今すげぇ幸せだよ。



この日から、闇だった俺の世界が、先生でいっぱいとなった。



次の日、俺は満面の笑みで遥斗に報告をした。


誰かに早く聞いて欲しくて、誰かに自慢したくて…



『何これ?』



でも遥斗は呆気ない態度を見せた。


俺が先生の携帯番号を見せると、興味なさそうな顔で、俺を見た。



『佐藤先生の電話番号をゲットしたってわけ!』


『これだけ?』



『すげぇだろ!!』



遥斗は俺を無視し、足早に歩いて行ってしまった。


俺をもっと褒めてくれよな。


笑顔で…一緒に喜んでくれよな…



遥斗…
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