Dangerous city
chapter4
一定の距離を置いたまま、俺達と八戸は睨み合う。

その対峙の最中。

「この街の異常は…私のせいじゃない…」

八戸は抑揚のない声で、しかしキッパリと断言した。

「信用できるかよ」

俺は彼女の言葉を一蹴する。

当然だろう。

平穏な筈の地方都市が、丸ごと無法地帯と化した。

善良な筈の一般市民が、強姦や殺人すら躊躇なくやってのけるような錯乱者と化し、既に多くの死傷者や被害も出ている。

そんな現場の真ん中に、国際テロリストが単身乗り込んでいた。

誰が見ても、この異常事態の元凶は八戸だと思うだろう。

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