上司に恋しちゃいました
背徳者
―――――――・・・



あたしはあれから自分だけのルールを作った。



一つ目は自分からは連絡しないこと。



家に帰って無性に寂しい時、自分が作ったルールに首を絞められる時がある。



けれど鬼の王子のことを思うなら当然の配慮。



その代わりに鬼の王子からいつ連絡が来ても会いに行けるように、予定は全て空けるようにしている。






二つ目は、彼と会った夜は出来るだけ早く帰ること。



鬼の王子は全く気にしていない様子だが、これは奥さんに対する配慮だ。



一応自分の立場はわきまえてるつもり。



けれどこのルールは鬼の王子と長く一緒にいたいから作ったもの。



誰かに対する配慮などと偽善の言葉を並び立てて、結局あたしは自分のことしか考えていないのだろう。



そんな自分が時々猛烈に嫌になる。
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