上司に恋しちゃいました
もう戻れない。



引き返すことなんてできない。



あたしはもう、鬼の王子を好きになってしまった。



罪の意識も吹き飛ぶほど。



鬼の王子の手にかかれば、あたしの陳腐なプライドや理性を壊すことなんて簡単だ。



離れたくない。



泡に包まれながら、あたしからする二度目のキスを鬼の王子に落とした。



どうしてあたしからするキスは、こんなに情熱的になってしまうんだろう。



湯船に消えていく泡の中で、ふとその疑問だけが残った。
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