ひめがたり~いばら姫に真紅の薔薇を~
第5日~逆襲の薔薇~

├お姫様と従者

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明るい光に意識が醒める。



ん………。


此処は――何処?



「――!!」


居間で寝ていた。


しかも、なんだこりゃ。



あたしの頭は玲くんの膝に。


あたしの右手は櫂の左手と、左手は煌の右手としっかりとがっちりと結ばれ…


そう、これはいわゆる――

極上男達の、贅沢すぎる逆ハーレム。


世の女達が、鼻血を噴出しそうな光景。


三人は目を伏せて寝ているようだが、美形の寝顔がここまで揃うと圧巻だ。


此処に携帯があれば、写メでもしたかった。


おや?

桜ちゃんだけ、居ない。



ふと、突き刺すような視線を感じれば…不機嫌そうに細められた金の瞳。



「いいご身分だよな」



ぷい、と横を向いてしまった。


「お前が紫堂玲の膝から動こうとしねえから、そこの2人が両側陣取って、結局全員で雑魚寝する羽目だ。

なんで俺が、そんなお前達を見ていなきゃなんねーんだ」


ぶつぶつ声が聞こえてくる。


嫌なら此処にいなきゃいいのに。


というより、何で膝枕?

一体何があったんだ?



「お前記憶ないのかよ。

はちゃめちゃに暴れまくったくせに」


溜息混じりに、若干…馬鹿にしたように言われた。


暴れた?


思い出そうにも、頭が重い。

記憶が靄の彼方に飛んでしまっている。


「しかもお前、いたいけな警護団長の人生、狂わしたんだぜ? ぎゃはははは」



え、あたし何をしたの?


どうして桜ちゃん居ないの?




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