不器用な僕等の唄を
雨のワルツ。




ふわり、と風が吹いた。


うん。言葉に表せば、絶対に『ふわり』だったはず。

私は、そんなメルヘンチックなことを考えながら日誌を持つ。


窓から入る風は梅雨とは思えないほど、暖かい。

おまけに今日は日差しが強くて、梅雨を追い越して夏になってしまったよう。

つい先日、桜が散ったばかりなのに。

桜の樹にはもう花びらはなく、緑の葉だけが見える。

湿気を伴う空気で廊下が滑りやすくなったり、クラスの女子が髪を弄る光景も増え。



…兎に角、今日はこんな天気でも明日は雨。



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