不器用な僕等の唄を




夏の夕暮れ時は、蒸し暑い。

昼間より影が伸びてて、太陽の光が頭上じゃなくて頬に当たる。

「暑ー…い。」

本日、何度目かの台詞を吐いて家に入る。

「おかえり、ちょっとお醤油買ってるね。」

玄関の扉で、お母さんと入れ違いになった。

「行ってらっしゃい。」

「6時には帰って来るから。」

私はリビングに通知表を置く。
もう小学校からの習慣になっている。

リビングのテーブルにはお姉ちゃんの通知表も置いてあった。

「うわ、神様…。」

言葉が漏れる。



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