木苺の棘

重なる瞳

「レン・・・ごめん」

『彼を忘れて・・・』

『俺を忘れて・・・』

「ごめんなさい
 私は、きっと
 タツミを忘れられない

 だけど、聞いてほしい
 貴方を想う
 この気持ちは、本物なの
 
 私、
 どうしたらいい・・・?」

漣は、その腕に私を
力強く抱く。

壊れるほどに強く・・・

私を、縛る。

「アリス、ごめん
 俺は何てひどいことを
 お前に・・・」

私は、漣の肩に額を当てて
左右に顔を動かした。

流れる涙・・・

「ごめんな、お前の気持ちを
 疑ったりして、俺・・・
 情け無い」
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