月光~moon light~
記憶-2-



薄暗い建物に、

埃っぽい空気。



「おじさん、どこ行くの?」



あたしの問いかけに答えず、

男の人はずんずん前に進んでく。




そこにはたくさんのドアがあり、

多分、ビルみたいなとこだったと思う。







「ねぇ、ここどこ?」



掴まれてる手はとても強くて、

振り払うことができなかったのを今でも覚えてる。







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