会長の看病

不安

「・・・・・」


美咲からの返事は帰ってこない。碓氷は美咲を強く抱きしめた。
すると、美咲の体が震えている事に気がついた。


「美咲ちゃん、どうしたの?」

「・・・・・・んだ」

「えっ?何?」

「怖いんだ・・・裏切られるのが・・・」


美咲の父親は借金を残して、蒸発してしまったのだ。1番信頼できる男に裏切られ、美咲は男嫌いになってしまったのだ。


「裏切らないって約束してくれるか?」

「俺が鮎沢を裏切る事なんて出来ないよ?」

「えっ?」


碓氷は美咲の頭を撫でた。


「俺は、絶対に鮎沢を裏切らないよ」

「そ、そうか・・・///」

「美咲ちゃん、顔が真っ赤だよ?」

「うっさい!!黙れ!アホ碓氷!!」

「はい、はい」

「さっき、してあげようと思ったのに・・・」

「え?何を?」
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